ゴースト×ゴースト小説、破壊ノチカラ

自分は、人ではないらしい。
人ではない「何か」であるらしい。
フロウとかいう偽った人の体は、力を抑えてくれる便利なものだと聞いた。
俺がまだ、誰にも明かしていない真実。
大切な人との関係をぶち壊したくなくて、なんとか隠してきたこの真実。
でもバレるのも、もうそろそろ時間の問題で。
別に、人じゃないって言ったところで、ふーん、ってなるだけだと思う。
ただ、問題はそこじゃない。
相手を殺してしまうかもしれない。
触れても、話しても、目を合わせても、何をしても、僕は………
「嫌っ!!」
町を一つ壊したあの時の情景が少し脳をよぎったら、思わず目を閉じてしまう。
誰を見ても、死んでいた。
あの日、あの時、あの場所。
もう誰かが死ぬところなんて…
あんな血の色なんて…
「絶対…見たくない……」
止めよう。もう、こんな馬鹿みたいなこと。

自分は自分じゃないと、笑おう。


できるものなら、「あいつ」に殺されたいな。