ゴースト×ゴースト小説、儚い命。

考えればあの子たちは正反対な性格をしていた。
フロウは常に他人を警戒するけど
イフレは周りに笑顔を振りまいて他人に寄って行く。
フロウは声が小さめだし目立ちだがらない。
イフレはうるさいくらいで目立ちたがり屋。
ホント、お互い可愛くて。
正反対な性格だけど仲が良くて。
喧嘩もしない、いい子たちで。
でも・・・
少し大きくなったら、あの子達は離れ離れになってしまって。
お互い、違う道を歩んでいった。
力という差と、種族という壁。
彼らはおかしな程にそれに狂わされ、目が深く真紅に染まると誰にも制御できないような力を手に入れた。
二人とも、そんな力は要らないと言った。
求めていたときは、完全に力に飢え、そして命や感情をも受け渡したのに。
彼らは力に裏切られたと言う。
フロウは魔術に目覚め、イフレは剣術に目覚めた。
彼らは知っているらしい、自分達はいつでも人で居られなくなることに。
彼らはそれから必死に逃げている。
怖くて助けも無いけど、それでも
物を盗んだり、人を殺したりして。
「自分」であろうと足掻いている。
泣こうが叫ぼうが、助けは無いのだから。
この力を失う方法は一つしかない。それは

「大切な人を犠牲にして、力を植えつけること。」

受け渡すしかないらしい。
しかしそれは、相手を殺す行為に近い。
彼らの人ではない力に耐えられるものなど存在しないに等しいのだから。

だから彼らは隠す。

自分を人だと信じ込んで。

死ねる日があると願っている。