ゴースト×ゴースト、鎖の少年。

此処が何処だか分からない。
ただ目を覚ましたら、此処に居た。
「君はお兄さんがいるでしょ?」
誰だ?聞いたことも無い声。
「いるよ、多分だけど…」
どこか機械のような声が頭に響く。
「素直だね、可愛いな。純粋なヒトは。」
なんてクスクス笑われるけど何がおかしいのか分からない。
「相変わらず曖昧だよね、そろそろ目を覚ましたら?その鎖を解いてさ。」
体に強く巻きついた鎖が痛かった。だが解く力も自分には無いんだ。
「そんな力ないよ、とれるわけない。」
紅い瞳を悲し気に細めてみせる。
「随分と弱気じゃないか、でもその鎖を解かなければ、君の大切なモノは壊れてしまうよ?」
「……」
「もう失いたくないんじゃないの?大切なモノ」
「セリスのこと?」
「さあ?どうだろう」
確かに大切なモノは二度と失いたくない。
それだけ怖いんだ。
「でも…」
息をたくさん吸い込んで言葉を選ぶ。
「できないよ…鎖を解くなんて。」
結局そんな言葉だ。
「そうかー、ならもう少し悩みなよ。これは夢だよ、だから大丈夫。」
なんて言って言葉が聞こえなくなる。
夢から覚めたけど、僕の世界は暗いまま。
僕は目覚めていないから、鎖から放たれていないから。
「時間が欲しいな…選択肢はもう減ってきているんだ…」
強風は容赦なく吹き付ける。
この鎖に吊るされた僕の体を貫いてゆくように。
「この風の力が欲しい。そしたら…大切なモノは守れるよ、僕にだって。」

欲しい、この風が。僕の力になってほしいっ
欲しい、欲しい、ほしい、ホシイ。
欲望になって、この願いは風に消えていく。



いずれ手に入れる力の元へと、その言葉は消えていく。



彼の口には笑みが浮かんだ。









あとがき((え
誰と誰でしょうかー??
えーと雑です。
あの人が目覚める前のお話です。
雑すぎて泣けます、スミマセン><
ではまた書きます!!誰だか当ててみてくださいね〜なんて。