ゴースト×ゴースト小説、世界のジョウオウ。

「誰かだけ幸せになれるなんて不公平じゃない。」
赤い髪、赤い瞳、物語の中で見ているようなドレス。
その美しい容姿は目の眩むようなものだった。
「今日は小さな夜ね、つまらないっ」
左右で結った長い髪が小さな夜の風に舞った。
彼女の肩のあたりにひらひらと舞う美しい蝶が光に輝く。
「今日は誰が私の正体に気付いてくれるの?」
蝶に語りかけ、美しく笑顔を見せる。
「幸せを掴むのは私たちよねー・・・」
「死神は人間とゴーストの頂点に立つべき存在、そう、私みたいに美しい女は最も頂点にふさわしいの」
「あなたみたいな蝶だって美しいからいいのよ。私と一緒にいるのがとっても似合うわ・・・。」
白い手で蝶を包み込み、窓の外へと放した。
「今日も十分に遊んできなさい、私が素晴らしい可愛い女に見えるように演じるのよ、セリエル。」


「私が本物なのを忘れないようにね♪」


「私を助けられる人を見つけてきてね、早く。」

そう言うと彼女の周りに現れていた陣が紫に怪しく輝き、彼女の身体はその場から動くことを封じられた。
彼女は美しい蝶の身体と人間とゴーストを怯ませるような恐ろしい力を持った・・・


シニガミノジョウオウ。