ゴースト×ゴースト、犯罪兄弟〜イフレ・フロウ・レイン〜

「先に進めー」
「おぉー」
二人は目を紅く染め、一人は目を黒く染め、剣やらナイフを振り回す。
楽しげだが笑っておらず、無表情に街中を歩く少年達の影。
「止まるなー」
「殺せー」
「憎い人間をー。」
まだ十歳にも満たない子供達の遊び・・・。だが彼らの力に敵うものはいない。
「笑うなこんな世の中で。」
「笑った奴は殺してしまえ。」
「あの世で散々笑うことさ。」
口々に一人ずつ何かを一言で語る。
少年達は一人一人違う恨みを世の中に抱いている。
少年達の中で何かが壊れるとき・・・町も壊れて行くのだった。
「幸せを語るなー」
「力を求めろー」
「孤独を愛せー」
短い一言にこもった三人の思いは想像するよりも遥かに意味の深いもので、彼らの生きる意味さえその言葉の奥に隠されている。
小さな内から大きな罪を犯し、そして未来に繋げてしまった少年達を、哀れんだ目で見る大人たちは言葉の意味を分かろうとしない愚か者。
だがその言葉の意味を分かろうとする者は少ない・・・。
「分からないやつは、あの世行きだー」
「殺してしまえー」
「・・・殺してしまえー」
少しずつ気づこうとする・・・
きっと分かる日が来てしまう。
自分の罪に・・・気づく日が。

「・・・待ってよ、まだ未来は・・・!」

「まだ知らない方が・・・?」

・・・幸せ?

・・・誰が言ったの?

・・・そんな奴殺せ!!

「おぉー!!」
またそんな声が聞こえれば、町が壊れる音がする・・・。