ゴースト×ゴースト小説、真紅の瞳

「俺の命令に逆らったらどうなるか分かってるんだろうなっ!!」
真紅の瞳で弟、レインに叫ぶイフレ。
我を忘れ、とっくに人が変わっているが、本人は気付かない。
レインは恐怖に震えながらも小さな声で返事をする。
「ホントかよ・・・今度失敗してきたなら・・・」
怪しく笑い、レインに近づく。そして小さな声で・・・
「痛めつけて、殺して、お前の感情をなくしてやるからな・・・」
そして狂ったように高笑いをする。
美しい青い瞳のときとは違い、人を利用し、簡単に他人を殺せたりしてしまう恐ろしい人格。どうしてここまでも豹変してしまうかは、ゴーストと人間のハーフだという理由だけでは不十分だった。
小さく頷くレイン。
「怖いかぁ・・・怖いよなー・・・、まぁ仕方ないと思いなよ。我に返れば何をしたかも忘れて、お前の前に現れるだろうからさー・・・」
などといって、レインの居る場から立ち去る。
そしてすぐにその場に座り込み、周りを見渡した。
「お兄ちゃん・・・」
レインの声が聞こえ、振り向いた。
「何も覚えてないの・・・?」
酷いことをしたのか・・・よく分からず頷く。
「そう・・・」
とだけ言ってすぐに行ってしまった。
でも、自分の視界がまだ紅く染まっていて・・・何をしたかが大体予想できた。
「最悪だ・・・ははは・・・」
きっとレインにも嫌われてしまったんだ。そう思うと胸が苦しい。
紅い涙は赤い刃の上に零れ落ちた。