ゴースト×ゴースト小説、つながるいのち。

「近づくな!!」
「うわっ!」
いつものことだった。少し歩けば嫌われて、突き飛ばされて、殴られて。
俺達兄弟、フロウとイフレはいつも二人で生きていた。
人間とゴーストのハーフというだけで酷い扱いを受ける毎日に耐えながら生きていた。
「お兄ちゃんどうして?悪いこと・・・したの?」
「違うよ、イフレ。大丈夫・・・俺が守るよ。」
分かっていた、さすがに5歳には荷が重過ぎることなど。でも自分にできることはイフレと手をつないでやることくらいだった。
立ち上がろうと動く、イフレの手を引くと・・・
「イフレっ」
病気に弱い弟は苦しそうにせきをしながらフロウの方へと倒れかかった。
「大丈夫か・・・?」
「平気だよ・・・大丈夫。」
無理に笑うと、フロウはイフレを抱きかかえ、歩いた。すると、
「ほら、人間っていつもこうじゃん。」
もう一人の弟、レインだった。彼は人間でもゴーストでもなく自分達とは別の苦しみがあると聞いた。でもフロウは気付いた、レインの目に涙が浮かんでいたことに。
「誰かを必ずいじめてさ。誰かが必ず苦しんでさ。」
必死に涙をこらえながら吐き出すように話す。
「対等に生きるのなんて絶対無理なんでしょ?だったらみんな死ねばいいじゃん!結局罪が無いとかあるとか逃げてるだけなんだよ!こんな馬鹿な人間と一緒に生きることなんて馬鹿馬鹿しくてもういやだね!」
見ていたのだろう、今までずっと。
フロウは、家族が全員揃って楽しんでいる光景をレインが好んでいたのを知っていた。
(悲しかったのかもしれない・・・さっきまで俺達を見るのが・・・辛かったのかもしれない・・・)
苦しそうなイフレと涙が溢れているレインを交互に見ると胸が痛んだ。放つべき言葉に迷った、それでも・・・
「・・・帰ろう?二人とも。」
そう言うのが正解な気がした。二人はその言葉に驚きながらも頷いた。
二人の手を引き、感情が繋がる気がした。三人別々の苦しみを、楽しみを。
三人の繋がる名前も心も感情もいつまでも続くものだと思った。
「今日のご飯は何かなー」
「さぁーいつも気分だからなー」
「でもママのご飯はいっつもおいしいからいいもん、何でも!」
みんなみんな笑って、楽しい時。これから何が起きるかは分からない。
だから今を必死に生きよう・・・三人で。









ちなみに繋がる名前っていうのはフロウのフがイフレのフでイフレのイがレインのイってことです^^


(コメントくださいw((