セリエル小説〜ゴースト×ゴースト〜

「セリエルちゃんは町で一番可愛いね。」
「あの子は町の星だね。」
「きっと髪の毛が伸びたら、もっと可愛いわ。」

「うふふ、そうかしら♪」
私はセリエル。町で一番可愛いって言われる女の子。
どこかを歩けば、声をかけられる。
でも哀れなものよね。大人たちは私が可愛いからってゴーストが来たとき、私を守って死んじゃうんだもん。
「・・・そんなことしたら、セリエル悲しい・・・。」
死んでいく人々を見ると、いつもこう言う。
「お前が俺の父さんを殺したんだろ!!」
勘違いする子供を見ると、いつもこう言う。
「ゴーストが殺したんだもん!」

でも、そんなある日。私、いつもそうやって言われるから泣いちゃった。
そんな時にね・・・男の子を見た。
「あの人も、きっと声をかけて仲良くなったら、私をいつの日か責めるようになるんだわ・・・」
でも、かっこよくて、一度はお話、したかったんだ・・・。

またゴーストが来た。私はみんなで家の中にこもってた。
「また誰か死んじゃうのかなぁ・・・。」
そう考えたとき。
「火事だ!!外に出ろ!!」
聞いたことない声で叫ばれた。その声の正体は・・・
「あの人・・・!」
この前見かけた子だった。蒼い、綺麗な髪の毛。
「お前もさっさと外行けよ。・・・死ぬぞ。」
「・・・あなたは?」
「・・・」
答えて・・・ほしかったのにな。ここであの人、死んでほしくない。
「私、他の人に教えてくるの。」
「ガキは大人しく逃げてりゃいいんだよ・・。」
「いいもん、私、死んだっていいもん」
走っていったとき、私は炎にのまれた。銀髪に映る赤が、私が最後に見たものだった。