ゴースト×ゴースト(短編)小説、穢れを教えて

はーい!できたよ(早い)
ソウルがフロウを揺さぶるはずだった小説…あんまり揺さぶれてないんですえへへ←
フロウっていろんな人に守られ続けて来た分弱いし、心が綺麗な所があるから、ソウルみたいな奴と喋らせると悪いことしてるな〜って感じするよね
真っ暗闇の世界の中に光が照らされてる小さな部屋があって、そこに何も知らずに一人ぼっちで待ってる感じ(分かりにくい表現)
その光を守ってくれるのはレディアくんだよ…最近レディアくんがめちゃくちゃイケメンで困ってます、カッコ良すぎ。
はい、ということで!当然の如く会話多めだよ〜〜ってことで気になる方はGO!!



夜だった。月は明るくて、その弱い光で道を照らしている。
ただその光さえもなんだか眩しくてすぐに目を逸らしてしまった。

彼のことを考えると…なんだか最近、少しだけ気が滅入る。

「…力になりたい、な…」

なにもかもを彼に背負わせているのは自分な気がしていて、でもどこかにずっと押し付けていたいと願う自分がいる。
彼のように立ち向かう勇気がなくて、ずっと何かに怯えていて、何かに甘えていたい自分が居て。
…それを許してくれる彼が居ること。

でも、このままじゃダメなことははっきり分かる。
自分が変わらなければ、彼が苦しみから解放されない事だって分かってる。
だけど…

「…怖い…」

踏み出してしまえばもう戻れないことを知っているからこそ、この恐怖が拭えない。

体の内側からゾクゾクと広がるような恐れを必死に振り払って月が照らす道を歩いた。
大丈夫だ、と言い聞かせて。

だけどこれから、ここに悪が訪れる。

「…みーつけた」

急に、そんな声が響いて、顔も上げられないまま目を見開いた。
絶対に良くない存在だ。体が拒否しているのが分かる。

「ねえ、そんなに怯えないで?やっと会えたんだから、俺たち」

でも、恐れるな。逃げてはダメだ。前を見ろ。
「…誰?」
だがそんな意思とは反対に、体が震えて一歩足が下がる。
声の主はそれを見ると目を細めて笑った。

「我が名はソウル、君に二度目の生を与えた者さ。」

二度目の生…、それって…ゴーストの生みの親ってこと?

「一体…」
「生きる者全てが抱える憎しみを糧に生きている。」

言葉を遮ってソウルと名乗ったそれは応えた。
そしてすぐに、まあいいや、と一人でまた話しはじめる。
「まあ俺のことはもういいだろう。私はお前に用があるんだよ、フロウ。」

そう言ってフロウを指差すとソウルは一歩ずつ近付いてきた。だがフロウは背筋が凍るような緊張感に無意識に一歩引いてしまう。

「来ないで…」
「怖がらないで?私は君を救いに来たんだ。」
「救いに…?一体何から…」
ジリジリと追い詰められるような感覚が、背に壁が当たった瞬間に確信に変わった。

「レディアのこと、全部知りたいとは思わないかい?」

その言葉に、一瞬息が止まったような気がした。そんなフロウを気がする様子もなく、ソウルは眼前まで迫って笑っている。

「そんな…全部なんて…」

「別にお前達に仲違いさせようって訳じゃない。だからほら…正直に言ってご覧よ。俺はお前の味方なんだから。」

ソウルの会ってから変わらない怪しい笑みに少しの恐れを感じながら、その視線から目を逸らして出るか出ないかの声で応えた。
「…最近は、少し…だけ……」

それを逃すことなく聞いていたソウルは鼻で笑った。
「…本当に汚い種族だな。」
その言葉に耳を疑ったが、ソウルはすぐに首を横に振って続ける。
「でもいいんだ。そう、それが普通なんだよ。お前が苦しむ必要なんて何処にもない。でも……」
少しだけ溜めて、ソウルは指を立てた。

「知りたいよな。あいつがお前に隠してることも、あいつさえ知らないこの世の全ても。」

フロウは少し揺らいだ。が、すぐにそんな感情は振り払って応える。
「…それは、でも…知ったら、いけないことじゃ…」

「知っちゃいけないことなんてこの世にはない。…それに、これからあいつだけが知ることはお前にも大きく関係することだ。それをあいつだけに背負わせるなんて…それこそ筋違いじゃないか?」
相変わらず、何を言ってもそいつはニヤニヤと笑っている。
…何が怖いって、ソウルの言葉は腕を強く引かれるように強引なのに、何故かすべてが魅力的に感じることだ。

「お前が少し我慢すれば良いのさ。それであいつが救われて、お前にまたほんの少しの恐怖が訪れるだけ。…すごくいい話だろう?」
「でも…怖いのは嫌だ」

「いいじゃん、愛する者と同じ恐怖を共有できるんだから。」

ソウルはそう一言だけあっさりと言ってのけるとフロウの胸に手を当てて、愛しそうに目を細める。
「緊張してる?大丈夫だよ、お前なんて泣けば助けてもらえるんだから。それにね…」

「死にたくなったら、呼んでくれれば俺が食べてあげるからさ。」

その言葉にフロウはやっと、麻痺していた恐怖心が我が身に戻ってきた気がした。
「それってどういう…」

必死にその意味が知りたくて言葉を探したが、言い掛けたままソウルの手が視界を埋める。
あまりに急で口から出た言葉も止まってしまったが、ソウルの笑う声はしっかりと聞こえた。

「その内分かるって。…じゃあ、また会えるといいね。」

その言葉のあと、暗闇から解放されたと思うと、同時にソウルの姿も消えていた。
あまりに一瞬の出来事で、全てが夢だったみたいに…。

「…夢…が、いいな…。」

その言葉とは裏腹に、フロウはその場に縫い付けられたように暫く動けなかった。