カリン小説〜ゴースト×ゴースト〜

「戦わなければ全てを失う・・・それをよく覚えておけよ。」
あの夜・・・自分と同じハンターが言った言葉。間違ってはいないと思う。
でも、あいつこそ自分を殺さなかったんだ。
「じゃあまた我と戦って!」
「・・・」
何も言わず立ち去った彼の瞳は何かを教えていた気がした。

そんな11歳の時のこと、相手の少年こそ覚えていない気がする。
剣を持ってゴーストを見張っていたある16歳の時のこと。
「あの・・・カリン?・・・だっけ。」
一人の少年に声を掛けられた。
「あのさぁ、最近ゴーストのたまり場が分かったらしい。」
「へぇ・・・そこに殴りこみにでも行くのか?」
「そういうつもりはなかったけど・・・」
とか曖昧にいいながら、目の前の空間に画面を表示して指で動かす。
「何これ・・・?」
「パソコンみたいなものだから気にしないでよ。」
そして地図を表示した。
「たまり場って言うくらいだから敵の数も多いけど、興味があるなら行ってみてもいいかもな。今のところ、全員怯んでるぜ・・・・。」
そういうと画面が消え去り、彼も歩き出した。
「・・・お前は行かないのか?」
と、自分は声を掛けた。すると彼は振り返って。
「別にどっちでもいいかな、俺は。」
「我と一緒に行かないか?」
笑って、彼を勧誘した。
「・・・君がついて来てほしいって言うんなら、行くけど?」
「じゃあ行こう。」
「・・・よし、割と強いらしいからちゃんと準備してから行くぞ?」
この戦いから自分達は関係をもつようになった。